10年目の借金返済
あなたは借りたお金はちゃんと返していますか?身分相応の借金ならば、何とか返せる宛てもあるでしょうが、身分不相応の借金はいずれその筋の人とご対面となるか、その前に荷物を纏める羽目になるか、どちらかを選ばなければならなくなるかもしれません。最近では弁護士さんの相談窓口が数多くできているので、困る前に相談すると良いですよね。
しかし、友人から借りたお金はどうしますか?返せなくなったらそのまま。疎遠になってそのまま。返さずにそのままほったらかしなんていう人もいるのではありませんか?ま、人それぞれ理由はあるでしょうから、問題なければいいですが、「金のもつれが縁のもつれ」なんてことにならないように気を付けたいものです。
今回紹介するAさんは、10年かかって500元(約6,500円)を返済した人です。
10年前、Aさんは田舎から長沙に出てきました。偶然知り合ったBさんがそんな右も左も分からないAさんに自分が勤めるタクシー会社に来るよう勧めたのです。しか、Aさんはタクシー運転手を始めて1ヶ月ほどして、事故を起こし、お金が底をついてしまいました。そんな時、知り合いから深圳に来るよう勧められました。ところが、旅費も捻出できないほどだったAさんは困り果てて、Bさんに相談したのです。Bさんは二つ返事で500元を貸してくれたのです。
深圳に来たAさんは、タクシー運転手として働き始めましたが、なんと車が盗まれてしまったのです。あちこちから借金をして会社に弁償しましたが、Bさんにお金を返すどころか、ますます借金が増えていったのです。2006年Aさんは深圳でサラリーマンとして新たにスタートを切ると、徐々に生活も良くなったのです。
そして長沙への赴任が決まり、やっと長年の恩を返せるチャンスがめぐってきました。しかし、Bさんはすでに連絡が取れない状態になっており、簡単には見つかりませんでした。そこで、タクシー仲間などに聞いたり、あちこち探し回って、やっとBさんを探し出したのです。Bさんに連絡の取れたAさんは10年分の思いを彼に伝え、お金を返したいことを伝えました。Bさんはお金なら良いと言いましたが、Aさんは「返したいのはお金ではありません。私の感謝と信義です。」と言って、10年ぶりにAさんは500元という恩義を返すことが出来たのです。
お金のことでごたごたと様々な事件が起こるこの殺伐とした世の中で、なにか温かい気持ちにさせてくれるニュースでした。ふと振り返って、私も誰かに借りた物がなかったか、今改めて思い返してしまいました。思い出したらきちんと返そうと思います。皆さんもこの機会に、長年借りたままになっている物がないか確認してみてはいかがでしょう。
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