中国には次のような諺があります。
「嫁鶏随鳴、嫁狗随狗」です。
意味は、「鶏に嫁いだら鳴き、犬に嫁いだら犬に従う」で、
嫁に行ったら夫に従うことを言い表した諺です。

今の時代、「鶏を娶ったら鳴き、犬を娶ったら犬に従う」とでもなりそうですが、
今回、このコーナーではもうおなじみの重慶から、ある女性が雲南に嫁に行った話です。

25歳のAさんは、彼氏を紹介してあげると言った同僚を信じて、雲南に行きました。
そこで、20日間ほどある家に滞在し、同僚が言う彼氏を待っていました。
しかし、現れるのは歳のいった男達ばかりで、
何も言わず、ただＡさんを品定めするような目つきで見ていくだけなのです。

Aさんは、おかしく思い、その家の主に確認したところ、
主は「みんな候補者だよ、ゆっくり選ぼう」と言ったのです。

そして、ある農民と結婚することになったのですが、
3日交際して、彼が口のきけない人であることが分かり、断ることにしたのです。
しかし、そのときAさんの目の前で、主から6000元(約78000円)が男に返却されたのです。

その時、Aさんは自分の価値が6000元しかないのかとおもったのですが、
主が、彼氏が欲しかったら、6000元を弁償してくれと言われ、
おかしいとは思いつつも、頷いたのです。

次に現れた男は、片眼が義眼の男でしたが、
結局この男と結婚することになり、
本当に農民の嫁となったのです。
Aさんはそれでも、嬉しくてほっとしたそうです。

ところが、Aさんの父親は、娘が人身売買にあったとして、
警察に届け出をしたのです。
担当警官がAさんのもとに訪れたときは、
Aさんは30キロ近く痩せこけ、畑仕事をしていたそうです。

しかし、担当警官がさらに驚いたのは、Aさんが重慶に戻ることを拒んだことで、
「『鶏に嫁いだら鳴き、犬に嫁いだら犬に従う』と言うし、
もう慣れたから、あとの半生はここで暮らす」とAさんは言ったのです。

この話を聞いた父親は、怒りでその日はしばらく口もきけなかったほどでした。
すでに、関係者は婦女人身売買の容疑で逮捕されていますが、
娘はいまだに戻ってこないようです。

いったいこの女性は何なんでしょうか。
どうして、自分が売買されていると知って、なお嫁いで行ったのでしょうか。
それとも、ニュースでは書かれていない何か裏があるのでしょうか。

アラブの方で80歳の夫と離婚調停を起こした12歳の少女のニュースもありましたが、
まだまだ、世界には女性の立場が弱い地域が多いですね。

中国も共産主義の理想である男女平等を実現するために、
女性の地位向上、社会進出はかなり進んでいる方ですが、
それでも、やはり農村地区などでは、まだまだ立ち後れているようです。

このAさんもそんな社会環境の被害者なのかもしれませんね。

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