嬰児売買
最近は自分の子供を虐待したり、捨てたりして、子供をペットか何かと勘違いしている親も多いようですが、そんな人でも、自分の子供が盗まれたとしたらどんな気持ちになるのでしょうか。それとも、保険か何か掛けてあって、次を産めばいいや位の考えを持っているのでしょうか。
日本では、最近あまり聞かなくなった嬰児誘拐ですが、中国では時々ニュースで流れています。中国の嬰児事情といいますか、嬰児を取り巻く状況は以前に比べ改善してきているとはいえ、都市部から離れれば離れるほど状況は悪く、誘拐、売買が平気でおこなわれています。特に一人っ子政策の影響もあって、働き手にならない女児は捨てられる傾向にあります。
それでも、最近では様々な政策が施行され、産み分けや、女児の中絶などが禁止され、嬰児の遺棄も含めて、すべて犯罪者扱いとなります。以前このコーナーでも紹介したNBAの姚明選手ですが、胎児の性別を確認したとの疑いがかかり、危うく犯罪者になるところだったのです。
それほど厳しい法律がある中国でも、なかなか減らないのが人身売買で、その実態があまり掴めていないのが現状のようです。しかし、公安当局も黙ってみているわけではなく、あらゆる手を使って撲滅に乗り出しているようです。今回、捕まった人身売買グループは23におよび、この4年間に49人もの嬰児を販売したのです。
現在、武漢鉄道輸送中級裁判所の法廷で審議がおこなわれていますが、起訴状には、販売した嬰児49人のうち男児が8人で、2万から4万元で販売、女児は8000元から2万元で販売されたようです。嬰児の中には、生後27日で攫われた女児も含まれていました。
このグループの頭目とも呼べる女は、自分も10歳あまりの時に誘拐され河北に連れてこられました。その10数年後に自分が生まれた故郷に戻って、自ら受けた苦痛を他人にも味あわせたのです。
中国の社会問題が端的に表れている事案ですが、多くの社会問題が経済の不均衡によって発生しているのだと思うと、豊かになるというのは、いったいどういうことなのか、良く問われる問題ですが、改めて考えさせられてしまいます。こういう犯罪を撲滅するのは大変だと思いますが、ぜひ実現して欲しいですね。
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