子供は何でも試したがります。機会の好きな子供は何でもばらしてみますし、おませな女の子はお母さんの真似をして化粧をしてみたり、まだ悪戯で済んでるうちは可愛いで済みますが、命に関わることになるとそんなわけにはいきません。

　　中国のある小学校で、昨日五年生の男の子が死んだときの感じを味わおうと、休み時間に校舎の三階から飛び降りたのです。幸い一命は取り留めたようですが、なぜこんな事をしたのか、不思議でなりません。

　　Ａ君は成績があまり良くない子ですが、頭が悪い子ではなく、友達もいるし、活発な子供だと言います。数日前、授業中にゲームをしていて、先生に没収された事もありましたが、先生方の処理は体罰をおこなったわけでもなく、父兄達の反発を買うような物ではなかったそうです。

　　この日、Ａ君はクラスメートの女の子に手紙を渡し、「皆には内緒だよ、僕が飛び降りたら先生にだけみせて良いから」と言って、また友人達とテキストの暗記をしていました。彼女は冗談だろうと思い気にも留めていなかったのですが、そのあと、Ａ君の友人達がトイレに行っている間に、飛び降りたのです。飛び降りた瞬間は誰も見ておらず、警察の詳しい調査がおこなわれています。

　　Ａ君は本当に死を体験したかったのでしょうか。体験したあとどうなるのか理解していたのでしょうか。それとも、ゲームのようにリセットすれば生き返るとでも思っていたのでしょうか。日本でも一時期ゲームなどの影響で自殺者が増えたなどと言う話がありました。確かにゲームのリセット機能を見れば、死んでも生き返られると思うかもしれません。小さい子供ならなおさらです。しかし、ゲームのせいだけでしょうか。親や周りの大人達がきちんと死という物を子供に教えてこなかったツケが、自殺という結果に表れているのではないでしょうか。大人達は自分の無責任を棚に上げて、ゲームや本などを攻撃し責任逃れしているだけにしか、私は思えません。

　　このＡ君が飛び降りた本当の理由はまだ分からないですが、もし周りの大人達がゲームのせいにしたのなら、このＡ君は本当に不幸かもしれません。なぜなら、彼を本気で救おうという大人が周りにいないと言うことになるからです。もし、本気でＡ君に死という物を教えてこなかったことが原因だというのなら、Ａ君はおそらく救われるんではないでしょうか。

　　クラスメート達の精神的ショックも大きかったと思いますが、このことに蓋をしないで、彼らの成長に大きく役立てて欲しいなと私は思います。

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