満員自動車
満員電車と言えばあの不快感がよみがえります。嫌な思いをしたことは一度や二度ではありません。あの不快な電車に乗らなくなってから、もうすでに数年が経ち、今は快適な毎日を暮らしています。もう二度とあの不快な電車には乗りたくないですね。それでも日本の電車は昔に比べるとすいて来た方だと聞きます。インドなんかは300%超だと言いますから、いったいどんだけ乗っているのかと不思議になります。
今回のニュースは、その満員電車ではなく、満員自動車の話題です。中国には「面包車」つまり「食パン車」と呼ばれるワゴン車がよく走っています。昔北京などではこの「面包車」のタクシーが多く走っていて、安かったこともあり、私も留学時代はよく利用しました。中は3列シートで運転手も含めて7人掛けです。しかし、この「面包車」タクシーは様々な規制の対象となり北京などの都市部からは姿を消してしまいました。しかし、地方ではまだ現役で使っているようです。
江蘇省如皋市郭園鎮のある幼稚園では、この「面包車」が園児達の送り迎えとして使われていました。しかし、たたった7つしか座席のない車内に2、30人詰め込んで送迎していたのです。いくら園児が小さいとはいえ、あのインドの満員電車に勝る、まさに300%〜400%の乗車率なのです。
幼稚園に入園してまだ2日しか経っていなかった4歳の女の子も、この超満員「面包車」に乗って通園していました。ところがその日、帰宅するために乗った女の子は、10分ほどすると呼吸困難に陥り、顔が青白くなってしまったのです。運転手は通り道の園児を送り届けながら、病院に行きましたが、もうすでに遅く、夜中まで蘇生施術がおこなわれましたが、反応もなく、10時20分死亡を確認しました。現在警察により、幼稚園の責任者は拘束され、取り調べを受けています。
いったい何でこんな事が発生したのでしょう。記者の調査によると、何人いくらではなく、日当100元程でドライバーを傭っていたたそうなので、おそらく経費をけちって、送迎自動車を用意せずにいた結果だと思います。先日スクールバスの法律が出来上がったばかりで、まもなく施行だというのに、直前でのこの悲劇はあまりにもかわいそうです。これから、幼稚園で沢山友達が出来て、いろんな事を覚えて、一番楽しい時期なのに。
私の従妹の子供が丁度この歳で、いま幼稚園に通い出してとても楽しそうにしているのを見ていたので、余計にこのニュースは心に響きました。本当に心から冥福を祈ります。
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