国防動員法
中国全国人民代表大会常任委員会は26日、「国防動員法」を通過させました。中国にとってこの法律の成立は、法律に基づいて国防動員の構築を強化し、国防の潜在能力を増強し、ひいては国家の安全と発展を守ることに重要な意義があります。
この国防動員法は全部で14章72条からなり、国防動員組織の指導機構とその職権、国防動員計画・実施対応案と潜在力の統計調査、国防と密接な関係にある建設プロジェクトと重要製品、労働人員の確保と召集の準備、戦略物資の備蓄と調達、軍需品の科学研究・生産と補修の保障などについて、明確に規定しています。
26日におこなわれた記者会見で、全国人民代表大会常任委員会法律制度作業委員会国家法行政法室副主任の孫鎮平は、国防動員の法律制度構築を強化することは、世界各国で普通におこなわれていることであり、中国も国情にあった、中国独自の国防動員法が必要であると語り、中国の国防の安全は全体的に安定しているが、伝統的なものとそうでないものの脅威が依然存在すると指摘しました。
この法律が成立したことで、中国は有事の際、的確に物資・人員の確保が出来るようになります。人員の対象者は男性が18〜60歳まで、女性が18〜55歳までとなっており、一部の例外を除き、全員が対象となります。
なにか、この法律は戦時中の一億総玉砕のようなイメージがありますが、中国政府は有事と平時の切替を素早くおこなうための法律制度を整備することが目的のようです。今年の7月1日から施行されるようですが、中国人の生活にどのような影響があるのか、注目するべき法律かもしれません。
中華人民共和国国防動員法(全文)
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